VRoid→MMDでわたしがやっていること

素人による自己流のやり方です(2021/11/13開設)

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【β版】ワンピーススカートの物理設定方法

この記事で使用しているバージョン:VRoid Studio β版 v0.14.0、VRMtoPMXExporter v0.5.6、MMD変換したVRM(Vroid)を使いやすく最適化 VAP2020042400、WeightTargetReplace 2011/8/31 Ver.1.1、柔軟剤プラグイン v017

 

注意事項

こちらの記事を最初に読んで、ご理解いただけた方のみ作業を進めてください。

rio-vroidmmd.hatenablog.com

 

!注意!

柔軟剤プラグインを使う方法です。
それなりに重たいプラグインらしいのでPCのスペックが微妙な環境では上手くいかないかもしれません。
また、筆者は「物理設定とかよく分からないけどいつもこれで上手く行ってるよ…!」というゆるふわなスタンスでこれを書いています。
理屈は分からなくていいからとにかくスカートをふわふわにしたいという方はこのままどうぞ。

逆に言えば物理設定についての知識がなくても出来るとも言えるかも?

 

仕上がりの見本:

 

確認事項

作業を始める前に以下のことを確認してください。

  • そもそも物理設定の入れ直しが必要なのか
    確認したい場合は変換後のモデルに最適化プラグインの実行と準標準ボーンの追加だけ行いMMDで躍らせてみてください。
    VRoidのデフォルトの物理設定のほうがきれい/好みな場合はこの記事の作業はスルーしてください。
  • スカートの形がワンピースであること(プリーツスカートはNG)
    ロングコートは試したことがありません。もし上手くいった場合は情報提供していただけますと嬉しいです。
  • 以下の記事の「5.モーフの追加とリネーム」までの作業を完了していること

rio-vroidmmd.hatenablog.com

※リンク先はVRoid正式版から変換した際の作業の記事ですが、β版モデルも作業内容はほぼ同じなので問題ありません。透明メッシュの削除だけ忘れないようにしてください。

 

モデルの状態の確認

次にモデルが以下の状態になっていることを確認してください。

なってなかったら、この段階で画像と同じようにしてください。

 

ワンピースの材質がトップス(上半身)、スカート、リボンで分かれている

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切り離し位置は以下を参考にしてください。

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このモデルではリボンを透明にしているので分かりやすいように選択しています

 

デフォルトのスカートのボーンがある

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デフォルトの剛体がある(スカートと脚)

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デフォルトのJointがある

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1.ウェイトの塗り直し

分かっている人向け簡易説明:WeightTargetReplaceでデフォルトのスカートのボーンをすべて下半身に置換します。プラグインを使わなくても塗り直しくらい出来るよという方はその方法で良いです。たぶん。わたしは普段フラグインを使用しています。

 

以下初心者向けの説明

 

まず作業がしやすいようにPmxViewを操作します。

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画像と同じようにしてください。

番号を付けていない赤枠は特に順番が関係ないので、画像と同じ状態になるようにしてください。

 

次にPmxView右下にあるmode▼をクリックしWeightを選択します。

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するとこんな感じになったと思います。

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試しにボーンタブから「下半身」ボーンを選択してみてください。

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赤くなっている部分は「ウェイトが塗られている」という言い方をします。

 

次に、J_Sec_R_SkirtFront1のボーンを選択してみてください。

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違う場所が赤くなったらOKです。

 

確認ができたら、そぼろ様のプラグイン、WeightTargetReplaceを使用します。

配布先:OneDrive

 

プラグインを起動します。

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とりあえず画像と同じ状態にしてみてください。

 

この状態で実行を押すと…

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実行ボタンの上に「0個の頂点を書き換えました。」と出ましたね。

 

次は「置換元ボーン」をJ_Sec_R_SkirtFront1にして実行してみます。

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今度は「65個の頂点を書き換えました。」と出ました。

 

置換元ボーンを変更する→実行ボタン

の作業をスカートの全ボーン(24個)分やります。ハッキリ言って面倒です。頑張りましょう。

対象ボーンはボーン名にSkirtの文字が入っているのでそれを目印にやります。

Q:なんで手でウェイトを塗らないの
A:毎回同じように塗れる自信がないから 塗り忘れも怖いし手動操作(?)を極力減らすのがモットー。

 

すべてのボーンのウェイト置換が終わったら、こうなっているはずです。
(下半身ボーン選択時)

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スカートの上部が塗られていませんがこれでOKです

ここまでできたら名前をつけて保存します。

 

2.スカートのデフォルト物理削除

分かっている人向け簡易説明:デフォルトで入っているスカートのボーン、剛体、Jointを削除します。

 

以下詳細手順

 

ウェイト表示は解除していただいて大丈夫です。

mode▼→通常を選択

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ボーンタブを開きます。

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スカートのボーンを選択し、すべて削除します。

誤ってスカートではないボーンを削除しないよう気を付けてください。

 

次に剛体タブを開きます。

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同じようにスカートの剛体を削除します。

名前にSkirtが入っているものです。

 

最後にJointを削除します。

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こちらも名前にSkirtが入っています。

 

スカートのデフォルトの物理設定を削除し終わったら、名前をつけて保存します。

 

3.脚の剛体の入れ直し

分かっている人向け簡易説明:デフォルトの脚の剛体を削除し、ボーン追従で剛体を入れ直します。

 

剛体タブを開きます。

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J_Bip_L_UpperLeg_0~2、
J_Bip_R_UpperLeg_0~2を削除します。
Q:なんで?
A:ボーンを骨とするなら剛体は肉で、このままだと脚のお肉がボコボコだから

 

次にボーンタブに移ります。

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右足、右ひざと左足、左ひざボーンを選択します。

 

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PmxViewに移り、編集メニューから選択ボーン→基礎剛体の作成 - ボーン追従を選択。

確認画面が出るので「はい」を押します。

 

するとこのように足・ひざのボーンに沿った形の剛体が設置されます。

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設置された剛体の位置や大きさを調整していきます。

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「絞」ボタンで脚だけを表示している状態にし、剛体の位置合わせをしやすい状態にします。

 

ここから先の操作はモデルの体形に寄ると思うので、剛体が脚を覆うように調整してください。

このモデルの場合ふとももはだいたい良さそうなのでひざ下の剛体から先に調整していきます。

説明が難しいので動画にしちゃいました。(無音)

剛体の大きさは「半径」というところで調節し、位置は右上のボタンを押すことで出てくるハンドル(?)で調整します。

剛体の表示はPmxViewの下のボタンで行います。

カメラ操作はVRoidと同じなのでぐりぐりと色んな角度から確認しながら調節します。

 

調整が終わったら名前を付けて保存します。

 

4.揺らす部分の切り離し

スカート全体に柔軟剤プラグインを入れるのではなく、リボンから下の部分にだけ入れます。

そのために揺らす部分をスカートから切り離します。

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リボンは位置が分かりやすいように色を付けてます

上の画像だと「スカート」から「スカートの裾(揺らす部分)」を切り離した感じです。

この位置よりも上/下で切り離したこともありますが、この位置が一番きれいにスカートが揺れてくれました。

 

ここで一応名前を付けて保存します。

 

5.柔軟剤プラグインを使う

いよいよスカートに物理を入れます。ここまで長かったですね…おつかれさまです。

使用するプラグインはななななななな様の柔軟剤プラグインです。

説明動画:【MMD杯ZERO】スカート新時代 (柔軟剤プラグイン配布) - ニコニコ動画 (nicovideo.jp)

配布先:柔軟剤プラグイン_v017 - BowlRoll

 

まず絞り込みで揺らす部分のみを表示し、mode▼からウェイト表示にします。

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プラグインを起動します。

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準備ボタンを押します。

ノートPCをお使いの方は重たいかもしれないので注意が必要らしいです。

 

準備が完了したら、画像の順でポチポチしてください。

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するとこうなると思います。

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PCのスペックにあまり自信が無い方はこのまま
剛体数振分け→物理設置を押してください。

 

わたしのPCはそこそこつよいので所謂「1頂点1剛体」スカートにしちゃいます。

(元々VRoidのスカートはそこまで頂点数が多くないのでそんなにヤバイことにはならないはずです)

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つよつよPCを使っている方向け設定

PCのスペックに自信がある方は右上の剛体の段数を8に変更し、
剛体数振分け→物理設置の順にボタンを押してください。

 

終わったら柔軟剤プラグインのウィンドウは閉じちゃって大丈夫です。

 

6.剛体の設定を行う

「これで本当に物理入ったのか…!?」って心配になりますよね。

というわけで次のステップへ行く前にちょっとだけ様子をみてましょう。

PmxView右上の「T」ボタンを押してTransform Viewを開きます。

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右上の▶物で物理をONにして、全ての親ボーンを選択した状態で操作タブの回転(Y)をクリックしてマウスを動かしてみてください。モデルがくるくるとまわります。

スカートがぎゅーんと回ったらちゃんと物理が入ってます。

 

が、このままだと色々と調整が必要なので調整していきます。

Pmx編集で剛体タブを開き、新しく追加されたスカートの剛体をすべて選択します。

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スカートの剛体のグループを5など、現在使われていないグループに変更し、非衝突グループも5だけにチェックを入れます。

 

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さらにスカートの剛体の一番上の段の剛体だけ半径を0.2から0.25にします。

「貫通しないでね…」というおまじないみたいなものです。あまり大した意味はありません。

 

終わったら、名前を付けて保存します。

 

7.スカート操作用ボーンを追加する

分かっている人向け簡易説明:下半身ボーンを複製してスカート親ボーンを追加します。

 

以下詳細説明

 

まず始めに少しお話をさせていただきますと、スカートの物理設定のみですべての貫通を防ぐのはほぼ不可能だと個人的には思っています。

座る、しゃがむ、大きく蹴り上げるなどのモーションでだいたいの場合は脚の貫通が発生します。

スカートは物理を設定することで勝手にふわふわと動いてくれる代わりに、腕や脚のようにボーンで操作できませんよね。

そこでスカートを操作するためのボーンを作成し、貫通する場所で手動でスカートをたくしあげたりすることで貫通を防ごうという作戦がこの項目になります。
このブログのトップ画面に載せている動画もこの方法で貫通を防いでいます。冒頭の大きな蹴りをしても脚が貫通していないのはこのおかげです。

 

グレイ様のこちらのツイートが例としてとても分かりやすいので、イメージがつきやすいと思います。

 

では本題に入ります。

まずボーンタブで下半身ボーンを選択します。

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下半身ボーンを右クリック→追加→複製を追加します。

 

すると下半身ボーンの下に下半身ボーンが追加されるので、下にあるほうを「スカート親」にリネームしておきます。

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スカート親の番号をこのときに確認しておきます。
上の画像の場合スカート親は「8:スカート親」と書いてあるので8番です。

 

次にボーン一覧の下のほうに移動しスカートの一番上の段のボーンを選択します。
この場合fs0_0~10です。
PmxViewでも一応確認しましょう。

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一番上の段のボーンが全て選択されている状態で接続ボーンを「8:スカート親」に変更します。

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そしてこのままだとMMD上でスカートの親が表示枠に表示されないので、表示枠に追加してあげます。

ボーンタブでスカートの親を右クリック→Indexをコピーします。

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表示枠タブに移り、スカートという表示枠がなぜか最初からあるのでそこに貼り付けます。

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次にTransform Viewで動作を確認してみましょう。

Transform Viewを開いたら物理をONにし、スカート親ボーンを選択します。

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この状態で操作ホイール(?)を動かしてみてください。スカートが動けば成功です。

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スカートの回転だけじゃなく移動もしたい場合はボーンタブでスカートの親ボーンの移動をONにしてあげると移動もできるようになります。

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もっとこだわりたい方はスカートの親ボーンを複製してスカート前、スカート右、スカート左…といったようにスカート全体ではなく部分的に動かすボーンを入れてみてもいいかもしれません。
わたしの場合はだいたいスカートの親ボーンだけで解決するのでそこまで細かい設定は普段していません。

 

おつかれさまでした

以上でスカートの物理設定(柔軟剤プラグインを使用する方法)は終了です。
この後は「③PMXエディタでの作業」の記事に戻って足幅の調整などを引き続き行ってください。