VRoid+Blenderで「最強」のモデルを作ってみる
大変長らくお待たせいたしました……超上級者向けの解説という名のモデルのメイキング記事になります。
※注意点!
今回の記事はあくまで「メイキング」のため、作業の順序など、必ずしも最も賢いやり方ではないです。
BlenderとPmxエディタを必要以上に行ったり来たりしています。
また、BlenderやUnityの使い方などは本記事では解説いたしませんのでご了承ください。(ただしそれらでわからないことがあれば遠慮なくマシュマロを送っていただいてかまいません)
今回制作したモデルの紹介
いっぱい見てほし~~~!(ド直球)
全身はこんな感じ。
素体をVRoidで作成してお洋服はBlenderでモデリングしたものです。
パーカーのフードやひも、まくっている袖、装飾などしっかり立体的になっています。
瞳の法線もBlenderで編集しています。おかげでスフィアマップがいいかんじ。
今回やったこと
- 目閉じ(まばたき、笑いモーフ)の修正
- 口元&眉関連のモーフの追加
- 特殊表情の追加(はぅ、汗など)
- フルスクラッチお洋服の着用
- 体型の編集
- 顔と瞳の法線の編集
正直ここまでやる必要ないです(バッサリ)
再三言いますが、VRoid製モデルでどこまで高クオリティなMMDモデルが作れるのか限界に挑戦してみたものなので、普段のモデルセットアップはここまでしなくていいです。
おれも"最強"目指してみてぇよ…という猛者の皆様はぜひお付き合いください。
もくじ
- ※注意点!
- 今回制作したモデルの紹介
- VRoidからエクスポート
- パーフェクトシンク化
- Blenderで表情の編集①
- PMX変換
- Blenderで表情の編集②
- Blenderで服を着せる
- 体型をいじる
- PmxTailorで物理入れ
- Pmxエディタで剛体とかJointとかいじって物理調整
- Blenderで顔と瞳の法線を調整する
VRoidからエクスポート
ちょっと変態っぽい恰好になってますがこれでエクスポートしました。
この後の作業のために透明メッシュの削除はOFFにしておきます。
パーフェクトシンク化
正直この作業必要ないかも…?
とりあえずシェイプキーがいっぱいある=なんか安心するのでパーフェクトシンク化して表情づくりに役立ちそうなシェイプキーを増やしときます。
VRoidモデルのパーフェクトシンク化はこちらのツールでワンパンなのでおすすめ!
Blenderで表情の編集①
わたしのVRoidモデル、目閉じがそのままだとひどくてですね…
まばたきモーフの元となるCLOSEがこちら:
笑いモーフの元となるJOYがこちら:
白目が飛び出てたり目閉じの形状があまりかわいくなかったり、ちょっと惜しいんですよね。
なのでこれをBlenderでちまちま直していきます。
VRMモデルを読み込んだり書き出したりするのを可能にするアドオンをBlenderに入れます。
こんな感じでプロポーショナル編集などを駆使しつつ直したいシェイプキーを整えていきます。
修正した目閉じがこちら。
きれいになりました。
Vroid2Pmxはメッシュが増えたりしない限りシェイプキーを増やしても変換に悪影響を及ぼさないのでついでに「もっとこういう表情してほしいんだよなぁ~」と思う表情を追加します。
今回は躍らせたい曲がすでに決まっていて、強気な笑みを多用したかったのでニヤッと歯を見せながら笑う口元と、眉毛の角度や形状を調整した怒り眉のシェイプキーなどを追加しました。
VRoidの顔をBlenderでいじる作業は過去にこちらの配信でやっているので、もしよければ参考にしてみてください。
なんか大変そうに見えるかもしれませんがわたしもBlenderを始めて1年経ったか経ってないかくらいなので操作とショートカットキーさえ覚えればなんとかなります。
Blenderを始めてみたいという方はぜひわたしのnoteも覗いてみてくださいね(ダイマ)
PMX変換
※注意!
VRoid Studioからエクスポートした直後のモデルではないため、miu様のサポート対象外になるのでご注意ください。
シェイプキーをちまちまいじり終わったらVRMエクスポートしてVroid2Pmxで変換します。
が………
久々の変換……どういう意味だこれは~~!
— リオ🍙 (@RioMinato) July 28, 2023
baseColorFactor...🤔 pic.twitter.com/8rgZ14U9sv
baseColorFactorは解消したけど今度はdoubleSidedか~~ pic.twitter.com/rh5aLH7nDC
— リオ🍙 (@RioMinato) July 28, 2023
惜しい あとちょっとで変換成功しそう pic.twitter.com/oe0Qfi7CUg
— リオ🍙 (@RioMinato) July 28, 2023
エラーいっぱい吐かれた~~~~~~~~!!!
Blenderでお顔をいじっているときにうっかりマテリアル設定をいじっちゃったんですよね。それでなんか色々怒られました。
ただ元に戻してもエラーが解消しなかったので………
Unityだ~~~~!ウワーーーーーーーーッ
なんかおかしいときはUnity病院で診てあげるとだいたいはなんとかなります。
というわけでUnityにUniVRM、問題なく変換できるモデル、エラーが吐かれちゃうモデルを読み込ませます。
正しく変換されるモデルとされないモデルの違いをとことん比較してチェックします。
今回エラーを吐かれたのは主にこの2点が原因でした。
・マテリアル設定がVRM/MToonではなくUnlit/Textureになっていた
・VRMSpringBoneがエクスポートされていなかった
これらを解消して、無事Vroid2PmxでPMXへ変換できました。
成功した♡ pic.twitter.com/jDzDyfv12u
— リオ🍙 (@RioMinato) July 28, 2023
Blenderで表情の編集②
PMX変換できたら今度はBlenderにMMDのアドオンを入れてPMXモデルを編集していきます。
今回は主に特殊表情の追加をしていきます。
PMX変換さえ終わってしまえばいくらメッシュを増やしたり減らしたりしてもエラーを吐かれることはなくなるので好き放題します。
今回は><(はぅ)の表情やなごみ、汗マークなどを追加してみました。
追加できたら、一度PMXエクスポートしてPMXエディタで材質や材質順、特殊表情がちゃんとモーフとして使えるかなど確認します。
Blenderで服を着せる
再度PMXモデルをBlenderに読み込み、今度は服を着せます。
服は以前モデリングして作ったこちらの服を着せます。
服とボーンだけをFBX形式でエクスポートし、着せたいモデルのプロジェクトにインポートします。
服はTスタンス、モデルはAスタンスなので服のボーンをポーズモードでAスタンスにしてあげてから着せます。
服を着せる作業ですが、こちらのアドオンとウェイトの転送の両方を駆使して行いました。
Kiseruを使用することできれいに着せられたのですが、ズボンだけ上手くいかなかったのでズボンだけウェイトの転送でウェイトを乗せました。
また、揺れもの用のボーン入れとウェイト塗りは移植?する方法がわからなかったので1からやり直しました。(このお洋服の場合はパーカーのひもと、背中から伸びる装飾のひも)
服の着用とボーン・ウェイトが終わったら肌が服を貫通しないように見えない部分は消しちゃいます。
ここまでできたらPMXエクスポートして、一度MMDで躍らせてみてウェイトの確認を行います。
今回は特に直すべき箇所なくきれいに踊ってくれたので、引き続きBlender作業を行います。
体型をいじる
VRoid特有の体型も悪くはないのですが、せっかくここまでいじっているのだからVRoidっぽくない体型にしたかったので、いじっていきます。
今回は主に脚、腕、指を編集しました。
""ヘキ""が出ちゃったな…ヘヘ…
あとVRoidってメッシュ同士が重なってるだけで繋がってない頂点とかあるのでメッシュ→クリーンアップ→距離でマージでつなげてあげます。
よく見るふとももの内側に絶妙に隙間が見えるアレをこれで解消できます。
PmxTailorで物理入れ
タイトル通りです。
この記事を読んでる方は今更解説必要ないと思うので割愛します。
ちなみにVroid2Pmxで生成された設定ファイルはインポートせずに自分でボーン設定など行いました。
服のひらひらもPmxTailorで物理入れしました。
Pmxエディタで剛体とかJointとかいじって物理調整
これもタイトル通りですね…
髪の毛の剛体がめちゃくちゃ細かったり、パーカーのひもが胸を貫通しまくったりするのでそのあたりを調整してあげます。
あと目のまわりにアウトラインが出てしまっている場合はそれもPmxエディタで直します。
Blenderで顔と瞳の法線を調整する
ここからは単にわたしの好みなんですが、Ray(リアル系シェーダー)を使う都合上調整を行います。
リアル系シェーダーはとてもリッチな見た目になりますが、顔に影が落ちてしまうとモデルのアニメ感?が薄れてしまったりあまりかわいくならなかったりするので、顔に落ちる影を抹消します。
ちなみにこの作業をPmxエディタ内でできるプラグインもあるのですが、瞳の法線もいじりたいのでBlenderでやっちゃいます。
画像真ん中にあるようなオブジェクトを頭にかぶせてデータ転送モディファイアで法線を転写します。
左よりも右のほうがモデルのお顔がトゥーン調?になってかわいくなったと思います。
次に瞳の法線を編集します。
瞳の材質にスフィアマップを適用しても画像左の状態だときれいになりません。
なので凹型レンズのようなオブジェクトを生成し、顔と同じように瞳に法線を転写します。
あとは改めてPMXエクスポートするだけです。
おつかれさまでした!
個人的にはVRoid→MMDはもうこれ以上のことはできないというか思いつかないな……という感じなので他に何かわたしに試してみてほしい・挑戦してみてほしいことがありましたらマシュマロなどで教えていただけますと嬉しいです。
それでは走り書きとなってしまいましたが猛者向けの解説(メイキング)は以上になります!
マシュマロで感想などいただけると嬉しいです(チラッチラッ)